(虚空蔵菩薩 求聞持法の本尊)
このところ易などの勉強をしている。易理を使って療術をやる名人もかつては居られた。特殊な神術にも通じる技法であり、僕はそんなものも復刻したいと考えている。
易をやっていると急速に直感が働くようになる。来院する方に問診をし、あるいは受診表を基にして状況を聞く前から、問題がどういうことなのか分ってしてしまうことがある。
その昔「寝釈迦さん」と呼ばれる易者がいた。野口靖充氏である。この方の筮法は非常に面白いものであったが、頷くところがある。また観音御籤というものをよろしく使う人もいた。くわしくは野中操法研究会第三部でお話しようとかと思う。
この9月から、つまり今日からだが、滝行気合の練磨もはじめてゆく。現在チベット密教の特別な行をしており、或る祈願真言を11万回唱えることをやっている。実は今日の話題は、先に記した易に関係することであり、所謂易神に通じる法に関連したものである。
あの有名な高島嘉右衛門(たかしまかえもん)は、鬼神の感通ということを説いている。心の働きを「鬼神」と言っているのである。鬼神感通ということが、易の百発百通の秘訣だと、易名人の高島翁は述べているのである。
そのようなわけで、僕はこのところ密教の法である「虚空蔵菩薩 求聞持法」という法に着目し、自分なりの工夫をしている。正式には「仏説 虚空蔵菩薩能満諸願最勝心陀羅尼求聞持法」という。あるいは「求聞持聡明法」(ぐもんじそうめいほう)。この法は、弘法大師空海が若い頃に修行して、成就したというものである。彼はそれ以来、聞くこと見るものを悉く諳んじたと、その著書「三教指帰」に述懐している。有名な「谷響き惜しまず、明星来影す」というのが、その一節である。
この法は密教の法なので特別に伝授を受けなければならない。正式な修行をするには、在家ではできないので得度して密教の僧侶にならなければいけない。そこまでやった人には、この法を伝授してくれる所を紹介してもよい。
さて僕の工夫した方法は、本格的な密教の法ではないが、非常に実利的なものであり、在家でも出来るものだ。とても神秘的な法である。この法の起源はインドであると思われる。日本の神術系統にも、中国にも、チベットにもないものでユニークだ。
虚空蔵菩薩を念じて真言を唱える。金星(明星)を使って行う修行、一種の瞑想法である。この簡易的な法でも、行うと「第三の眼」が刺激されるのを感じる。そして感が鋭くなる。易の卦を得るのに精神統一が行いやすくなる。このことは体験すれば分ることだと思う。
あす9月2日に今後の予定を発表します。