スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2012.12.01 Saturday
  • -
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

解説 八宗綱要(17)【空海と摩訶毘盧遮那成仏神変加持経】

秘密宗の修行法『月輪観法』

「・・つまり良範さん、こういうことですね。その『月輪観(がちりんかん)』という観法がその『秘密宗』というものの土台的な修行法であり、また『秘密経典』とかいうものにそのことが明記されていると、こういうことですね」

「その通りだ、良泰。おぬしの言う通り、『秘密宗』の依経がその『秘密経典』ということになる。同時にそれは唯識も中観も取り入れられており、さらに別のあたらしい思想も盛り込まれているのだ」

「なるほどね、それを最澄が唐に渡り、請来してきたわけだ。そして大会(だいえ)を催行するといって貴族を呼び、さらには各派の大徳を政治権力で、物を言わせず参加させたわけだな」

「良円、おぬしさすがだな。そこまで知っておったか」

「まあ、そのくらいの情報はつかんでいますよ」

「その経典は何という経典なのですか?」
良泰は興奮をおさえつつ聞く。

「・・『摩訶毘盧遮那成仏神変加持経』だ。略して『大日経』というのだ」

「なんとも深遠な経題ですねぇ」良泰は妙に感心する。

大乗仏教の最後の段階の教えがこれだろうな。そして最後の観法の土台が『月輪観』ということになるな」

「・・ということは良範さん、唯識における『識住』の具体的な方法が、『月輪観』とかいう観法なのですかね、それとも・・・」

「それともなんだ」

「それとも、それに付加された方法があるのでしょうか?」

「なぜそう思うのだ?」

「喩えて言えば、鏡になるのが、『月輪観』で、鏡に映っているのが、現象世界の事象であり、その鏡にさらに何かを映すことによって、現象世界に対応できるもの足りえるんじゃないでしょうか?」

「うーむっ」良範はまたまた腕を組んでしまった。
「いやな、本当に驚いたよ。今日は本当に驚いた。おぬしが言ったことを同じようにいう人物がかつていたんだよ。そしてその男は、霊夢で『大日経』を得たというんだ・・」

「ええっ!!」

「そしてなアサンガ様の『弥勒菩薩の現身説法』こそが、その『変化(へんげ)』の技法を見せた証だと言うんだな」
「その男は虚空蔵菩薩求聞持法をやり、さらにその根本経典まで得たので、すぐに天体が関係あるんだと見抜いたんだ。弥勒降臨のときも、無着(アサンガ)は日光三昧に入ったなど天体に関することを述べているからな。求聞持法もな、月と太陽の蝕が結願に非常に関係があるとされているんだ。例の瑜伽師たちの伝えたものが、この法になったとその男は言うのだ。驚くべきことに、その教えはすでに唐土に於いて完成していると思うというのだ・・・」

良泰が続けていう
「・・それが先に出た、『秘密宗』だというわけですね」

「そうだ、その通りなのだ」

「その方は自然智宗の代表格というわけですね。良範さんは、どのくらい偉い方だと思うのですか?」

「そうだな、最澄が300年に一人の大秀才なら、その男は1000年に一人の大天才だな」

「いやー、それほどのお方ですか。是非ともお会いしたいですね。いま、どこに居られるのですか?」

「俺もあってみたいな、その大天才とか人物に・・・」良円も相当に興味がわいてきたようである。

「日本には居らぬのだ。いまは唐土におられる」

「何というお名前ですか?」

「うむ、名前か。空海さまだ」

「空海さま、ですか」
良泰は、この名前の中に自然覚(自然智)が躍動するのを感じたのであった・・・


※この物語は仏教的小説であります。『八宗綱要』を元にして、清涼殿に於ける帝の御前での仏教論議を通じて仏教の教理を理解していただく為に書き下ろしたものです。 

スポンサーサイト

  • 2012.12.01 Saturday
  • -
  • 00:00
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク


calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>

selected entries

categories

archives

recommend

recommend

recommend

recommend

recommend

links

profile

search this site.

sponsored links

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM